コロナウイルス感染拡大リスクを最小限にするために、一定期間のイベントやミーティングのキャンセルやリモートワーク(在宅ワーク)を推奨する企業が増えています。私の顧客の中にも、原則としてリモートワークとしつつ、本来予定していたプレゼンテーションが延期になったところもあります。
私自身の働き方は大きく変わることはなく、そういったスケジュール変更がいくつかあったくらいです。仕事そのものがなくなったわけではなく、当初からやるべきことを自社オフィス(個室)で行っており、それでほとんどのことは成り立っています。
客先に伺う予定がリモート対応となり、自社オフィスにいるんだけど、これといった支障もなく仕事がはかどっている。
— Nagami_Aldoni Inc. (@nagami_aldoni) March 2, 2020
隣に人がいた方が効率は高い
いわゆるフェイス・トゥ・フェイス(対面)の方が、グループワークにおいては生産性が高いと言えます。
今日は1週間ぶりにオフィスに行って、対面で話すことの大切さを感じた1日でした。やはり連携のスピードが早い。
リモートでも、チャットで伝わらないことを早めに判断し、zoomの会話に即切り替えて解決するって流れができれば、それなりのスピード感を維持できそう。徐々に理想に近づけたいですね。
— こちょう / baigie inc. (@kocho_katsuhiko) March 2, 2020
ただ、オンラインツールを使いこなしていくことで、リモートでも業務遂行が成り立つことは立証されつつあります。
今までリモートワークをやってみようと思っていても、「リモートよりも同じ場所にメンバーがいた方が業務ははかどる」「リモートワークだと仕事をしているのかどうか管理できない」など、「抵抗勢力があった」企業にとっては今回の出来事は、結果としてリモートワークを実行に移す機会(きっかけ)になったのかもしれません。
ゼロから一歩前進させる機会
これはチャンスです。初めてリモートワークを行うと「うまくいかなかったこと」、例えば「XXシステムにアクセスできない」あるいは「オフィスからアクセスするよりも動作が遅かった」といった具体的な改善点が見てくるでしょう。それを解決させていけばよいと思います。以下のような視点から確認できるのではないでしょうか?
- 日常のコミュニケーション
- 職場の信頼関係
- ファイルやナレッジの共有方法
- 外部環境から社内環境へのアクセス方法
- コミュニケーションツールの種類と妥当性(ZOOM,Skype,電話,チャット,メールなど)
BCPそのものとも言える
そもそのリモートワークがどんなものなのかを実行することで、「これについてはリモートワークが成り立つ」「あれに関しては対面で行った方がよい」「リモートワークの人がいる場合のミーティングの行い方」といった「共通の認識」が社内でも醸成されていくと思います。そうなると、いざという時に「オフィスに来ないと仕事が成り立たない」部分が減少し、「リモートワークでも業務ができる」という別の選択肢を持つことができます。
さらに習熟度合いが高まると、「リモートでも対面でもどちらでも業務がうまくまわる」ようになります。これこそが、事業継続計画(BCP=Business Continuity Plan)の一つとも言えます。
ケース:全社オンラインミーティングで盛り上がる
全社定例ミーティングをオンラインで行った例をあげたいと思います。
メルカリは、「あえて在宅勤務(リモートワーク)を禁止している」企業です。詳細は↓の記事でも取り上げています。
しかし、コロナウイルス感染拡大リスクを避けるために、原則としてリモートワークとしたようです。そこで、毎週行っている定例ミーティングをオンラインで行ったところ、Google Hangouts MeetとSlackを社員がフル活用して、大変もりあがったようです。
メルカリ社員の適応力の高さが改めて証明された事象と言えます!環境変化を前向きに楽しんでしまうノリの良さは、こういう時こそ大事にしたい!
————
1,000人以上が参加するリモート全社定例がかつてなく盛り上がった話 https://t.co/8cPwsmDXXo— 木下達夫 メルカリCHRO /Tatsuo Kinoshita Mercari CHRO (@kinotatsuo) March 2, 2020
リモートワークを積極的に取り入れていなかったにもかかわらず、ここまで一気に実現できるという素晴らしいケースでしょう。
時間ではなく結果重視になる
リモートで業務を行うということは、「勤務時間」ではなく「結果重視」になることを意味しているといえます。「時間」ではなく「何をどうしたのか・どうなったのか」ということが、勤務実績として見える化していくことが重要となるでしょう。
自由には責任が伴う、という最たる例だと思います。