オンラインセミナーに参加した実感に基づくメリット・デメリット

人材開発
この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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オフラインセミナーが軒並み中止になり、オンラインセミナーによる開催が増えています。私も4月から今月にかけていくつか参加しました。それによって気づいたオンラインセミナーのメリット・デメリットをまとめておきたいと思います。人によって認識するところは異なると思います。私の主観であることはご了承ください。

オンラインセミナーのメリット

まず、メリットをあげてみます。

移動が不要

セミナーのために移動する必要がなく、オフィス(あるいは自宅)から参加することができます。また、開始直前まで全く別のことをやっていても、システムにログインすればよいので、時間を有効に使えるとも言えます。

また、移動が不要なので交通費が発生せず、インターネット環境さえあればどこからでも参加できます。これはファシリテーターについても同様で、セミナーを実施するために移動したり前泊・後泊も考慮不要となります。

セミナー時間が短い

オンラインセミナーで終日行うセッションはめったに無いです。所要時間は、セミナーの内容に依存しますが、1時間~2時間くらいがほとんどです。今まで1日かけて実施していた集合研修を、半日くらいのオンライン研修としてプログラムを変更した企業もあります。

後で観ることもできる

オンラインセミナーは録画しておくことによって、リアルタイムで参加できなかったとしても、「オンデマンド配信」によって、後で同じ内容を観ることができます。

オフラインセミナーでも録画しておくことによって、同様の対応ができます。しかし、実施する際に使用するツールに付属する録画機能を起動すればすむオンラインセミナーとは異なり、オフラインセミナーの場合は、そのために別途機材などを用意する必要があり、若干ハードルが高くなります。

会場の用意・設置が不要

オフラインセミナーの場合は準備必須となる会場についても、オフラインセミナーの場合は不要です。仮に複数のファシリテーターが1か所に集まって配信するとしても、一定以上の広さが必須要件となるオフラインセミナーよりは、準備のための手間がだいぶ省けるかと思います。

また、実際に参加者が来場する場合は、椅子やテーブルなどの設置や懇親会などの準備も必要となります。参加者数も会場の広さなどによって制限が出てくるので、申込者数やキャンセル数の管理も行うことになりますが、オンラインセミナーの場合、参加者数の制限はツールなどに若干依存する一方、オフラインセミナーほどの厳密な管理をする必要は無いでしょう。

オンラインセミナーのデメリット

「オンラインセミナー最強」という流れがありますが、そうとはいえない部分もあります。

インターネットに接続できないとお手上げ

インターネット接続やツールに問題があってアクセスできない場合、そもそもオンラインセミナーに参加できないし、ファシリテーター側の場合は実施ができず多くの参加者に迷惑がかかることになります。

インターネットそのものに接続できないということは滅多に無いですが、音声が途切れる/ハウリングすることによって進行に支障が出るケースはよくあります。

反応がわかりにくい

オフラインセミナーの場合、参加者のちょっとした反応(うなずき、表情など)がわかるので、それを基にした対応も可能です。説明を補足したり、話し方を変えるといったことを意味しています。しかし、オンラインセミナーにおいてビデオモードがオフの場合は、そういった反応をうかがい知る方法が無くなります。

集中力が続きにくい

オンラインセミナーは一人で参加していることが多いせいか、音声だけ流しつつ別の作業を行ってしまうことがあります。また、物理的に退席するオフラインセミナーとは異なり、「退出ボタン」を押すだけで簡単に離脱できる状況は、気楽に参加できるという特徴の裏返しとも言えます。

時差があると参加しにくい

日本国内で開催されるオンラインセミナーについては考慮不要ですが、時差のある海外で開催される/海外から参加する場合、リアルタイム配信のオンラインセミナーは参加しにくい時間帯のことがあります。実際にこんなことがありました。

毎年アメリカの都市で開催されるATD-ICEは、コロナウイルス感染拡大を防止のため、今年は中止となりました。

アルドーニ株式会社<Aldoni Inc.>
‪デンバーで開催予定の人材開発カンファレンス 「ATD-ICE」の中止を決定したとのことです。‬ 来年のロサンゼルスで会いましょう! ‪‬

その代わりに、「ATD Virtual Conference」が今月上旬に開催されました。いわゆるオンラインセミナーです。全世界からの参加を想定したタイムスケジュールとなっていましたが、日本から参加する場合、時間帯が夜中か早朝になります。

昼間に仕事をしながら英語のセッションに夜中や早朝に参加するのは、業務に影響を及ぼしそうなので今回は断念しました。

ブレンドラーニングが加速

オンラインセミナーには利点だけではなく、デメリットもあります。そのため、「オンライン」か「オフライン」かという「どちらかに寄る」というよりも、内容・期間・回数によっては両方を取り入れたセミナーが定着してくるだろうと思います。

これはコロナ禍がどうのこうの・・・ということに関係なく、数年前からこういった考え方は人材開発領域ではいわれています。私も過去にこのような記事をリリースしています。

ブレンドラーニングを取り入れることで研修に継続性を持たせよう
以前の記事で、「ブレンドラーニング」を紹介するつもりが、その前段の「E-LearningとLMSの歴史」をふれただけになっておりました。今回こそ、ブレンドラーニングについて6月に開催していた「ATD帰.....

いずれせよ、人材開発領域ではVRなどのテクノロジーを取り入れた手法が次々に登場しているので、目的に則したものを取り入れていくことが肝要だと思います。

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