2019年最後の記事となります。
4月に「日本マイクロソフト株式会社が8月に週休3日制を導入する」というニュースがリリースされました。私も、それに呼応する形で↓の記事をアップしていました。
今回は、その結果や考察できる点を取り上げたいと思います。
労働生産性が40%あがった
この記事によると「就業時間が大幅に短縮される一方で、従業員1人当たりの売り上げに換算した生産性は、前年同月に比べてほぼ40%向上した」とのことです。
具体的には以下の取り組みを行ったようです。
- 2019年8月は毎週金曜日を休業日にした
- 上記は「特別有給休暇」として有給扱いにした
- 会議を最大30分までとし、対面ではなくオンラインツール(Microsoft Teams)でのやりとりを奨励した
- 会議そのものは最大で5人までとした
こういったルールを設けつつも、業務上の目標などには変更を加えていません。2019年8月の1か月間は20%の稼働時間が減ったから、それにあわせて売り上げ目標なども20%減らしたわけではなく、そのまま。生産性を上げつつ勤務時間数(日数)だけが減ったということです。
休日の有効活用機会へのサポートをした
業務に対する取り組み方だけではなく、それに伴って発生した休日の有効活用についても会社としてサポートしているところに、「マイクロソフトの本気度」が感じられました。
「ワークライフチョイスチャレンジ2019夏」と題したプログラムを並行して実施していたようです。
「ForWork:自己成長と学び」「ForLife:私生活やファミリーケア」「ForSociety:社会参加や地域貢献」の3つの視点で、自己啓発関連費用や家族旅行費用、社会貢献活動費用の補助などの支援プログラムを実施した。
このプログラムに対しては、実施後の社員へのアンケートによると92%が支持をしたとのことなので、導入そのものが成功したプログラムと言えるでしょう。
全てがうまくいったわけではない
いくつかのWebニュースをチェックしたところ、おおむねポジティブな内容しかふれられていないし、実際のところはそういった面の方が圧倒的に大きかったのだろうと推察します。
しかし、日本マイクロソフト社自身がリリースしたこの記事によると、「今後の課題点」もあったようです。
“ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏“ から見えた課題
① 有効活用できた社員/部署と、うまくいかなかった社員/部署のギャップ
② いまだ一部のマネージャー/部門で働き方の多様性への理解が不足している
③ 当社のチャレンジがお客様のご迷惑になるのではないかと考える社員/部門もあれば、お客様にもこのチャレンジを共有しようと前向きに捉える社員/部門もある出典:「週勤 4 日 & 週休 3 日」を柱とする自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」の 効果測定結果を公開
「当社のチャレンジがお客様のご迷惑になると考える社員/部門」というのがキーポイントです。どちらかといえばこういった取り組みにポジティブな考えを持っている方が多いようにみえる、外資系のマイクロソフト社ですらこういったコメントをされる社員がいらっしゃることは、しっかりと認識しておかねばいけないでしょう。
「そんなことは考える必要はない。時間ではなく成果で仕事の結果ははかるもの」という認識が、国内においては共通(当たり前)になっていくきっかけになればいいと思います。そのためには、日本マイクロソフト社の取り組みやその結果を公開したことは、とても有意義なことだろうと感じました。
今後の展開や継続が重要である
さらに、こういった取り組みは一過性のものではなく継続してさらに広げていく必要があると思います・・・・などと私が書くまでもなく、実際にその予定もあるようです。
一緒にチャレンジする ”仲間” 募集プログラムを開始:
ワークライフチョイスチャレンジ 2019 夏の効果測定結果や実施ノウハウ、ソリューションを法人のお客様にご提供していく中で、一緒にチャレンジいただける ”仲間” を募集するプログラムを開始します。出典:「週勤 4 日 & 週休 3 日」を柱とする自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」の 効果測定結果を公開
この取り組みを知って、「自社でもやってみたい!」と思った会社にとっては朗報ですね。
この件はもっと早く記事にしたかったのですが、ここ数か月お客様案件が佳境な時期が続いており(お引き合いがあることはありがたいことです)、ついつい後手に回ってしまいました。来年もよろしくお願いいたします!