通常の業務をしつつ、
<前回>
定款の作成
「会社の設立のための手続き」というと、法務局に定款を提出することが主なタスクなのですが、この定款は「会社における憲法」のような位置づけで記載するべき内容が定まっています。具体的には・・・
- 商号
- 事業内容
- 決算時期
- 資本金
- 本店所在地
- 発起人氏名・住所
といったことです。私の場合は一人会社なので自分の意思が全てですが、共同で会社を設立する場合は、その辺の調整も必要となります。実は、1ヶ月前に学生時代の同期複数名と会社を設立したのですが、まさに上記のうちのいくつかについてはディスカッションしました。(これについては、別の機会に記載します)
その定款をどう作成するのかを検討しなければいけません。これは、これはちょっと調べるといろんなサンプルが出てくるので、そういったもののどれかを選べば簡単。私は一般社団法人士業ITアドバイザー協会が提供している、「無料登記ドットコム」(現在はサービスが終了しているようです)を使いました。
これは案内に従って、ブランクに必要事項を入力するだけで定款ができあがるものです。ただ、PDFファイルでしかダウンロードできないので、それをWordファイルに変換しました。なぜ、Wordファイルにする必要があったのか・・・。
電子定款にしたかったからです!
電子定款作成の代行
株式会社を設立する場合、定款を法務局に提出する前に、その定款に対して事前に公証役場にて認証を得る必要があります。この認証については、現在2つの方法があります。
- 通常(紙)
- 電子
どちらであっても効力に違いは無いのですが、紙の場合は収入印紙代として4万円かかります。その一方、電子の場合は収入印紙が不要=0円となります。これ以外にも、公証役場での認証手数料が約52000円かかるので、電子にするかどうかで倍近くの金額になります。
そうなると、普通に考えると電子定款を選択すると思います。ただ、この電子定款を個人で行おうとするととても煩雑です。手続きが煩雑というだけではなく、それを行うための環境構築に時間がかかり、さらに環境構築の費用も4万円以上かかります。
詳細は割愛しますが、「自身のマイナンバーカード」「カードリーダー」「PDF文書に電子署名し、認証済文書を確認できるソフト(どれを選んでも2万円前後する)」など、法務省の「オンライン申請システム」を利用するための準備を行います。そのあとに、「オンライン申請システム」を使って電子認証を受ける準備を完了させたうえで、公証役場に行くようです。
こんな煩雑なことをやるならば、紙の定款で・・・と思いつつ何とかならないものかと、Google検索をしたところ、見つけました!電子定款の代行をやってくれる行政書士が世の中には結構おり、費用も数千円~1万円くらいでした。いろいろ調べて、大阪にある某行政書士事務所にお願いしました。費用は5000円。2~3日で電子定款ができあがったので、私が行ったことは
- 電子定款の原本をWordで作成
- 上記と私個人の印鑑証明書をスキャンしたPDFファイルを行政書士にメール送付、および手数料の振込
- 電子定款を行政書士から受領し、公証役場に認証のための日時を予約
という比較的簡単なタスクで済みました。
電子定款の認証
公証役場は、本店と同一の都道府県内にあればどこでもよいらしいです。いろいろなWebサイトを拝見すると「本店から近いところ」と記載されているところもありますが、それは間違いです。
以下のものを持参して公証役場に向かいました。
- 電子定款及び(電子定款を作成するための)委任状をまとめた冊子1部
委任状(1頁)
と定款全頁を委任状を一番上においてホッチキス留め。 委任状に出資者全員が、実印により押印を施し、 すべての頁と頁の間に、出資者全員が、実印によ り契印(割印)をする - 発起人の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
- 行政書士から送られてきた委任状 ←「1」とは別の委任状
- 公証役場へ支払う費用(約52000円)
-
空のCD-ROM或いはフロッピー
-
公証役場へ行く人の認印
-
公証役場へ行く人の身分証明書(運転免許証など)
公証役場では、必要な書類を渡して待つこと10分ちょっと。無事に定款が認証され、手数料と引き換えに以下のものをいただきました。
- 謄本(2部用意してもらいました。法務局提出用と保管用)
- 電子定款が格納されたCD-ROM←「5」にデータが入って返却される
費用は51940円、ニコニコ現金払いです。メインの書類はできた。あとは、その他の書類を準備して法務局に提出です。
<続編>