先日(7/10)に開催された「HR Tech GP2018 Final」に参加しました。9月にラスベガスで開催される HR Technology Conference & Expositionでも、Pitchfestがあるので時間があれば観戦(?)したいと思っています。しかし、そもそもPitchfestがどんなものなのか経験がなかったので、まずは雰囲気を味わおうと思ったのと、日本のHR Tech業界で注目されているサービスを一度にみることができるのはいい機会だと思ったからです。
プレゼンテーションは8社で行われた
書類審査を通過した8社のファイナリストによる、「6分間のプレゼンテーションと4分間の質疑応答」が行われました。また、このファイナルプレゼンテーションの前にWebによる投票も行われていたので、審査員以外の採点もふくめた選考だったようです。8社については、こちらのサイトをご覧ください。
「Official-Alumni.com」「TUNAG」は既知のサービスだったのですが、それ以外は名前は聞いたことがあるけど詳細は知らない、あるいは、そもそも初めて聞いたサービスだったので、どんな内容なのかという点も含めて期待しながら会場に向かいました。
それぞれのサービスの所感
私がプレゼンテーションを拝見している中で取ったメモの中で、今読んでも何のことだかわかるもの(笑)を抜粋しています。メモを取ることより、プレゼンテーションのやり方や審査員からの質疑応答の対応といったところに着目していました。
GROW360
- 採用にまつわることで不幸になる人をゼロに。不幸とは・・・
- 取るべきではない人を採用、取るべき人をとれなかった
- 入社すべきではない人が入社してしまった
- 評価に潜むバイアスを排除する
- 評価者を評価する360度評価
- 3年から5年契約をして、何度もサイクルを回す
- 指の動きも解析している
クラウド上司 YeLL
- 人との信頼関係が人生で一番大切
- 週一30分 電話でサポート
- 得た情報は3ヶ月に一回、クライアントの人事部門にレポートしている→何をレポートするのかはチャレンジゾーン
- 部下育成をできる人は難しい→その部分をアウトソーシングするという発想
- 相性は大切
Official-Alumni.com
- 企業とアルムナイ(退職者)をつなぐことで、新たなビジネスが生まれたり場合によっては再入社の可能性もある
- アルムナイにとってのメリットを提供できる(例:福利厚生の延長など)
<過去に再入社(出戻り)について記事にしています>
mitsucari
- スキルで雇われカルチャーで辞める
- 同じ人でも会社によって結果が異なる
- 構造化面接
- 適性検査はスマホで10分
- 競合優位性:一年くらいは先に行っている
Clarity
- 女性だけではなく男性も使えそう
- 口コミを書き込む人のモチベーション→UIやスクリーニングをとることではかろうとしているらしい
TUNAG
- 人事制度をまとめて管理できる
- 組織課題を抽出している
- 企画とシステムを組み合わせる
- 顕在化していれば、それを解決させればよい
- 全社員で診断を受ける
BizteX cobit
- RPAのクラウドツール
- インターフェースが簡単
- 実際に使って業務改善案を考察する勉強会を行った会社もあった
- 例:スカウトメール送る
track
- エンジニアを採用するのにスキル評価を行う
- クラウド上で受験できる
- 問題作成ができる
人事業務をどれだけ把握しているのか
プレゼンする方がどれだけ人事業務を理解しているかどうかで、プレゼンの説得力が異なってきている・・・#hrtechgp2018
— Nagami_Aldoni Inc. (@nagami_aldoni) July 10, 2018
どのサービスも間違いなく素晴らしいだろうし、テーマとなっている「働く」領域の課題解決に寄与するものだろうと思います。ただ、「HR Tech」なので、プレゼンターがどれだけ人事業務を把握しているか、あるいは、実際に業務経験が無いとしてもどの程度、想像/イメージできているのか・・・というところで、審査員の質疑への反応がわかれていたと思います。
あくまでも自分がプレゼンするサービスのことだけに終始して、結果的には質疑への回答としては成り立っていない・・・と思うものもあれば、潜在的な顧客から何度も聞かれているポイントなのか内容も含めて完璧な回答まで様々でした。
観客の投票がなかったのは残念
観客からの質問やコメントは、Slidoによってオンラインで投稿できたので、他の方々がどんな点に関心があるのかは掌握できました。ただ、当日は審査員が採点するだけではなく、観客も割合は低くとも採点に参加できれば、さらに盛り上がったと思いました。
このファイナルの前にはWeb上で投票を受け付けていたので、事前に投票はできたかもしれませんが、実際にプレゼンテーションをみて気持ちが変わったりすることもあるでしょう。
プレゼンテーションはテーマや内容をしぼっている
プレゼンテーションの時間が限られているので、当たり前のことなのですが、テーマは特定の内容にフォーカスされて話していました。Clarityはプレゼンテーションの情報だけだと、「女性にターゲットをおいたサービス」だと理解していたのですが、後でフライヤーなどを拝見すると、別にそういうわけでもないんだ・・・ということが判明(笑)。
Pitchfestという場の雰囲気はとてもよくわかったので、ラスベガスでも時間が許す範囲で参加しようと思います。こちらは、観客にも投票権があるようです。
<主催者によるイベントレポート>
私はプレゼンテーションをきいた結果、「mitsucari」が優勝するかなと予想していました。グランプリは、「Official-Alumni.com」でした。