先日(12/6)、「人事 to IT カイギ #3」に参加しました。今回のテーマが「HR Tech 最前線 テクノロジーで変わる人事の未来」であるだけではなく、主催者やスピーカー全員とご面識があるというセミナーという、私にとっては滅多にない状況でした。また、気になっていたけど、今年は参加しなかった(来年はどうしようかな??)、ラスベガスで開催されたHR Tech Conference & Expo 2017の報告もあるとのことなので、期待して行きました。
会場がシャレオツ
「シャレオツ」という言葉もすでに古くなっているのかもしれない(笑)・・・。などということはともかく、渋谷駅から徒歩10分くらいの株式会社Branding Engineerのセミナールームが会場でした。今回、初めて伺ったのですが、「渋谷」「IT系」ということだったので、絵にかいたような「Theスタートアップ企業」という雰囲気を予想していたら、全く予想を裏切らないシャレオツなオフィス(厳密にはセミナールーム)でした。
「宣伝を兼ねてセミナールームを他所に貸している」とのことでした。WiFiも使えるようになっており、これによって、会社そのものの地味な宣伝にもなっているのは間違いなく、「なかなかうまいな」と思いました。最初にご挨拶された際に「ベンチャーに欲しいものが全てある」とおっしゃっていましたが、確かにそんな感じがしました。
トレンドはエンゲージメントからWell-Beingへ
第1部は、ワミィ株式会社の伊藤さんによる「HR Tech Conference & Expo 2017」報告でした。来場者は9000名くらいだったようですが、日本からも90名くらいの参加があったようです。規模としてはATDと同じくらいのものかもしれません。日本からの参加者数はATDの半分程度ですが、これは今後はもっと増えるでしょう。ワークスアプリケーションズ社がスポンサー企業として参加していました。そういえば、私自身もこんなツイートをしていました。
Was surprised Works Applications is one of the Diamond Sponsors at the HR Tech Conference. Did Good!@HRTechConf #HRTechConf @WAP_PR @WAP_US
— Nagami_Aldoni Inc. (@nagami_aldoni) August 1, 2017
HR Techというと採用エリアに多くのサービスがリリースされているイメージがありますが、エンゲージメント(個人と組織(企業)が一体となって両方の成長に貢献しあう意欲)をサポートする/効果を測定するサービスが現在のトレンドのようです。これは、日本でも似たような状況だと思います。そして、今後はWell-BeingがHR Techのトレンドになっていくようです。Well-Beingは直訳すれば「福祉」「幸福」となりますが、「精神的・肉体的・社会的に満たされた状態」を表現しています。
AI・Robotics・Quantified Self
キーワードとして「AI(人工知能)」「Robotics(ロボット工学)」「Quantified Self(人間の行動や状態の定量的観測)」があげられたようです。確かに、いくつかのHR Techサービスの紹介もありましたが、この3つに関連したものが見受けられました。
例えば、「Textio」という求人票のパフォーマンスレイティングを行うものがあるようです。これは求人票が「自然な表現かどうか」「求人票の文章が男性的か女性的か」を判断し、「トーン、ニュアンスの最適な解」を提案してくれるようです。間違いなく、AIを使ったサービスでしょう。Textioは、Twitter社、Microsoft社が導入しているようです。
その一方で、採用に関係なかったプレイヤー(例:GoogleのHIREなど)が、ATS(Application Tracking System:採用管理システム)や採用関連プロダクトに参入しているので、採用エリアのHR Techはまさに戦国時代入りしたと思っています。Googleは上記3つのキーワードにぴったりとあてまる事業会社なので、そう考えると、とんでもない潜在的能力があるってことですよね・・・。
HR Techからみたマイクロラーニング
マイクロラーニングのニーズが、モバイル時代には増えているようです。仕事をしている時に、今ちょっと助けがほしいという要望にマッチしているとのこと。ラーニングの側面からもHR Techの側面からも注目されているマイクロラーニングは、これからの研修のあり方を間違いなく変えるだろうし、これを考慮しない(or知らない)人事担当者はモグリ(笑)だと思います。
全てが分析の対象に
コアのHR Techマーケットは成長し続けるとのことです。例えば、15分のインタビュー記事には100万の要素があると言われているようです。今まではデータとして存在していなかったものが、様々なデバイスの登場により多種類のデータがとれるようになり、それを分析することが可能となったからです。
そのため、今までのように社員データを管理するためのツールから、あらゆるところからデータを回収して分析することがHR Techには求められているのでしょう。そういったデータを使って、人事施策の企画・設計・導入・運用・改善(場合によっては廃止)を継続的に行うことによって、企業としての優位性を保ち、競争力を持たねばいけないからです。考えようによっては社員は、「ありとあらゆるデータを会社にあずける」ような時代になろうとしているのかもしれません。
次回は第2部以降のことを書きます!
<2017年12月13日追記>
後編になります。