前回、「こういう人は人事に向いている」という記事を掲載したところ、予想以上のアクセス数がありました。
それだけみなさん関心度合いが高かったということではないかと思います。賛否両論ありますが、あくまでも私見です。その続編というわけではないのですが、「人事だけではなくビジネスパーソンにとって、有していると便利なもの」について記したいと思います。いやいや他にも・・・とか、こっちの方がという意見もあるでしょうが、あくまでも私見ということで。
実務経験
前回のタイトルと矛盾しているじゃないか!と感じる方もいらっしゃるでしょう(笑)。たしかにそうなのですが、実務経験が無いよりは有った方がよいにこしたことはありません。ただ、それが絶対的なものではなく、無ければ無いなりに何とでもなるというのが持論です。以下は、人事を例にして詳細を記載します。
中途採用に多いのですが、「同業(自社と同規模か(いろんな意味で)格上)で、人事のXXやYYの経験を3年以上有していないなら面接はしない」というケースがあります。確かに募集する側からすればそんな要望を懐くかもしれませんが・・・
同じ業務を、(規模などは格下の)同業他社でやりたいと思う人はいるのか?
ということに疑いは持たないのでしょうか?そういう方は滅多にいないし、仮にいたとしても、とにかく今の会社を早く辞めたい事情があるとか、何らかの問題を起こしたから辞めた(辞めさせられた)可能性は否定できないでしょう(笑)。
違う業界の人事や、異なる(or広い責任がある)人事業務領域にチャレンジしてみたいと望む方が多いだろうと思います。また、そもそも「人事の実務経験が無いとダメ」というのも、マネジャーや部門長を採用するならばともかく、メンバークラスならば固執する必要は無いと思います。
私はコンサルティング会社で人事コンサルタントとして経験を積んだあと、事業会社の人事部門に転職しました。今から12、13年前の頃で、当時はマネジャーの一歩前、シニアスタッフレベルでした。その際、書類選考の段階で「人事の実務経験が無い」という理由でお断りされたことが何度かありました。正直、納得できない回答でした。確かに人事の実務経験は無いけど、実務者に人事業務のコンサルティングを行っておりましたが・・・。実務もやればできるというのは自明ではなかろうか。
そもそも、「その経験はどこで積めるのか」ということは度外視して「経験者であること」に固執することに、何か意味があるのでしょうか?実際のところ、業務の目的やゴール、期日を理解して手順をふめば、(多少の手戻りが発生したとしても)事務方の業務はたいてい何とかなります。
幸いにも、ご縁があって事業会社の人事部門に転職することができました。それから6、7年して自分の部下を採用する時は、「人事実務経験の有無よりも、転職しようと思う理由・背景や、このポジションをきっかけにどんなキャリアを積んでいきたいのかという想い」を重視し、過去の仕事ぶりがわかるエピソードなどを伺って判断しました。(最終的には、人事業務経験が無かった方を採用しました。)
フレームワーク
人事に限らずどの仕事でもそうですが、ロジカルシンキングの手法やフレームワークは知っておいて損はないと思います。この手のツールは研修などで習ったとしても忘れてしまうものですが、それは全く問題ありません。実際に、業務上で使ってみたり、何度も習えばすむことです。業務は暗記試験ではないので、忘れたしてもWebサイトなどで検索して、しれっと使いこなせばいいのです。
社会人になってからだいぶ年数は経ちますが、学生の時と異なり、意味のない暗記作業から解放されたのはうれしいです。「これはここを見ればわかる」ということを覚えていれば、複雑な中身は忘れ去ってもいいというのは、ありがたいですよね(笑)?
それから、こういうフレームワークは抜け漏れが無いかどうかを確認する時にも便利です。他の人に見てもらうということでも代用はできますが、その方が同じ知識レベルや情報量を有していないと、なかなか難しいでしょう。そういう時にこの手のツールは有効です。
英語
最後は英語です。日本語でほとんどの情報が習得/取得できるのは、とても便利でありがたいです。しかし、「言語のバリア」によって得られないものがあるというのは、避けたいことです。特に人事関連のトピックは、海外のトレンドを取り入れることも多いです。その際、1次情報にアクセスできる意義はとても大きいです。
↓例えば、この記事を書いた時の情報元とか。
反対に日本で行ったことをアピールし広めていくことや、自身の意見や要望を明確に伝える機会も増えつつあります。私は大学を卒業してからずっと外資系企業で勤務していたとはいえ、それほど英語を使う機会もなく、しかも苦手に感じている方でした。実際にそれは英語を話す/書く能力にも明確に現れていました(笑)。
しかし、自社の人事システム導入に日本側のPMとしてアサインされ、「導入されたら日本語で使用するシステムを、母国語が日本語ではない方々と、英語で物事の調整をして導入する」という役割を担うことになりました。
「必要に迫られる」というのは、とてもよいきっかけだったのでしょう。語法がどうのこうのということではなく、とにかく、「これを伝える」「この仕様は、是が非でも日本の要求を通す」という気力で乗り越えたかと思います。そのせいか、仕事上のやり取りは英語でもなんとかなるレベルにはなったと言えます。ただ、いろんな方と昼食をとりながら、ましてや酒がはいる夕食の時の「ちょっとした会話」は今でも苦手です(笑)。
9月に「HR Technology Conference & Exposition 2018」に行きますが、こういう機会を作るのも、トレンドを実際に自分の目で見て感じるのと同時に、それによってさらに英語スキルをブラッシュアップするためのモチベーションにもしたいからです。