シェアオフィスが増えつつあり、私もそういったものを多用しておりますが、意外なところがその分野に「殴り込み」をかけてきました。
ビッグエコー
私もカラオケをやるためにお世話になったことがあります(笑)。自分たちの強みを別ベクトルからみて、まったく違うサービスを展開するという「クリエイティブシンキング」のお手本になるようなケースだと思います。
「オフィス」として使用している方がいた
カラオケボックス内で資料作成や打ち合わせを行う会社員は、もともと存在していたようです。そういった事象もあったので、ワークスペースとしてのニーズもあるのではないかと、ビッグエコー側も判断されたようです。
ああ、この発想はなかったです。外で仕事をするとしたら、いわゆるシェアオフィスかカフェで行うものだと思っており、カラオケボックスは全く想定していませんでした。確かに、静かだし、電源は間違いなく確保できる。しかも、昼間ならば部屋代は決して高くない。こういったカラオケボックスが持っている潜在的な強みをもう少し、分解してみようと思います。
カラオケボックスには「オフィス」としての潜在的な強みがあった
防音環境である
カラオケボックスは、防音はしっかりされているため、楽器の練習会場として使っている人もいる、というのは聞いたことがありました。本来の目的(カラオケ)以外にも、集中して何かをしたい時にはとても適した環境かもしれません。
防音である=声がもれにくいため、大声を出しても大丈夫。プレゼンテーションの練習や、少人数での打ち合わせにはもってこいと言えるでしょう。
モニターがある
映像を写すモニターがあるということは、これはプロジェクターとしても使えます。会議室に必要な備品と共通項です。しかも、マイクもあるので、大会場でのプレゼンテーションや講演をイメージした練習もできます。ボックスによっては、ちょっとしたステージもあるので、まさに完璧(笑)。
飲食もできる
カラオケボックスで、飲食ができない・提供していない施設はほとんど無いでしょう。もちろん、ビッグエコーならば問題なし。仕事をした後の昼食や、昼食をとりながらの打ち合わせといったことも可能となります。新しい設備や投資をすることなく、まったく別の事業(シェアオフィス)を行うことができるということになります。
気分転換ツールがある
もともとはカラオケボックスなので、カラオケそのものも行うことができます。打ち合わせが終わった後にカラオケをして親睦を深める、プレゼンテーションの練習をした後についでに気になる新曲も練習する、などという今までにはない時間の過ごし方が生まれます。
私自身もカラオケボックスの「転用」経験があった
このニュースを読んだときに、そういえば私自身もカラオケボックスをカラオケ以外のために使ったことがあったことを思い出しました。
事業会社で勤務していた時に、海外本社から来た方々との夜の会食の時のことです。その時の上司の秘書が、「個室」で「英語対応ができる」という基準で選んだ店は、「高級なカラオケボックス」でした。いわゆる懐石料理だったので、一品ずつ運ばれてくるような形で和やかに会食は行われていました。カラオケボックスが会食の会場だったのです。
その時、海外からの方の一人がカラオケ装置を指して「あれは何だ?」と聞いてきました。私の上司と私が、「歌のメロディーにあわせて自分自身が歌うものだ」といったことを説明しました。そうしたら、とても興味あり気な様子を示すお二人。
どんなものかを実際に示すために日本側(私の上司、部下、私)が、それぞれ持ち歌を歌いました(←さらっと書いていますが、これだけでも想定外の展開です)。それで終わるかなと思いきや、ご本人たちも歌いたそう。英語やフランス語の曲も入っていたので、たまたま知っている曲を歌うことに。しかも、2、3曲は歌っていたような・・・。
次の日、上司の秘書に「昨日はどうでした?」と聞かれたので、その状況を話したらとても驚かれました。彼女としては、料理や会場の雰囲気がどうったのか(≒今後も何かあった時に使えそうな場所かどうか)を知りたかったのに、「カラオケ大会の報告」になっていたので、当然の反応でしょう(笑)。
シェアオフィス事業は戦国時代になっているだろう
話を今回の件に戻します。私も独立する際にシェアオフィスをいろいろと見てまわりました。その時に、多くの会社が新規事業や関連事業として、シェアオフィス事業に取り組まれていることを知りました。まさか、ビッグエコーがそういった事業に参入してくるとは、数か月前には全く予想もしていませんでした。
ビジネスはとんでもない方向から、新たな競争相手がやってくるという最たる例ではないかと思います。私も何かの機会にビッグエコーで仕事をしてみよう。その時は、仕事終わりのカラオケは必須です(笑)。