ATD21が終了してから早くも2ヶ月近く経過しました。いくつかのセッションに参加して気になった点や共有したいことをあげたいと思います。こういうものは早く記録にしておかないと、すぐに忘れてしまう(笑)・・・。
世代要素は考慮する
「学ぶことにおいて、年齢による制限は無い」と言われており、その通りではある一方、研修プログラムなどを設計する際に年齢要素を完全に無視してしまうと、学習効果が低下することがあることは認識するべきことのようです。
「年齢要素を完全に無視してしまうと、場合によっては学習効果が低下する」ということを認識する。#ATD21
— Nagami_Aldoni Inc. (@nagami_aldoni) August 30, 2021
「X/Y/Z: How to Avoid Generational Pitfalls in L&D」というアクセンチュア社の方々によるセッションは、世代を定義した上での調査結果の共有でした。
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- ベビーブーマー: 1946-1964年生まれ
- X世代: 1965-1981 年生まれ
- Y世代(ミレニアム世代):1982-1995年生まれ
- Z世代:1996年生まれ以降
- キャリア開発に関しては、若い世代がそれより上の世代の学習者よりも2倍以上のモチベーションを持っている、とのこと。←それは確かに。若い方々のほうが「先」が長いですから。
- 自己能力を高めている年配世代の方々は、自分が知っていることを共有したり、提案をする機会を好意的に受け取っている。
- 対話型・参加型のトレーニングは、年齢が混在したグループで実施するとよい。
- ベビーブーマーは、テクノロジーを使うことやそれについて学ぶことにも、他の年齢層と同様に興味があるように見られる。ただ、この調査がソーシャルチャンネルを利用しており、そもそも十分な技術的知識を持っている人が参加していたゆえ、この特徴は、全年齢層を代表するものではないかもしれない。そのため、団塊の世代に焦点を当てたオフラインの調査が必要ではないか。
また、「The New L&D Model Driving Digital Age Leadership」によると、デジタル世代においては「(その研修を受講した結果)仕事上、どのように変化するのか」を「学習ゴール」にしたほうがよい、とおっしゃっていました。
非難ではなく責任をはたす
問題が発生した際に他責にするのではなく、他にどんな解決方法があるのかを(メンバーと一緒に)探ることで、リーダーシップスキルが次の段階にあがる。#ATD21
— Nagami_Aldoni Inc. (@nagami_aldoni) August 31, 2021
「Creating a Culture of Accountability, Not Blame」というタイトルのセッションにおいて、コンフリクトが発生しない職場は無いが、それが発生した時にどのように対処するのかによって、職場環境は大きく異なってくるとおっしゃっていました。
何か問題が発生した時に、その事象だけにフォーカスして何も行動せず他責にするのではなく、どんな解決方法があるのかをブレインストーミングにて明確にし、次のアクションに進めることを説いていました。当たり前のことなのかもしれません。しかし、会話術のフレームワークとして定義されており、わかりやすく伝えておりました。
L&Dにもアジャイルの適用が求められる
研修プログラムの開発メソドロジーといえば「ADDIEモデル」が認知されていますが、変化のスピードが速い令和の時代においては、研修プログラムを開発している途中で状況が変わってしまい、リリースする頃には意味のないものになってしまうケースもあります。そのため、システム開発でも取り入れられている「アジャイルによる開発」を適用すべき、と「Using Agile Methods in Learning and Development」にておっしゃっていました。
ADDIEモデルは、アジャイル開発と対比的なアプローチの「ウォーターフォール開発」と言えます。このモデルは理想的ではあるが、開発中に変化などが起きないことを想定しているので、ビジネス上の変化に対応しきれない可能性があります。現実世界では、次々と変化が起こりそれに呼応していくことになるので、ADDIEモデルでは限界が生じることがあります。
そのため、小さいサイクルで開発→実施・評価を繰り返し、開発中に発生する様々な状況の変化に対応しながら開発を進めていく「アジャイル開発」をL&Dの領域にも適用すべきということです。
「12週間でやっていたものを3週間に!」「早く間違えて」というコメントが印象的でした。また、アジャイルといいマイクロラーニングといい、研修プログラムの短期化・細分化はもはや必須の考え方なんだろうと再認識しました。
学習者のゴール・モチベーションを優先する
Focus on the learner and don't be afraid to try new things that will help the learner. In addition, use the template actively and tone down the bells and whistles.
#ATD21— Nagami_Aldoni Inc. (@nagami_aldoni) September 1, 2021
学習者にとって何が必要なのか・どうすればモチベーションが維持できるのかを学習者と共に考え、彼らのフィードバックも重視してラーニングデザイン(設計)をするべき、という「当たり前だけど見落としがちな」ポイントを強調していました。
学習者がどのように感じるか、モチベーションを維持できるのか、といった視点で一緒にラーニングデザインをするとよい、という「当たり前」なコメントがとても腹落ちした。#ATD21
— Nagami_Aldoni Inc. (@nagami_aldoni) September 1, 2021
他のセッションについて学んだ点などに関しては、次回にしたいと思います。
<ATD21@Homeに関する過去記事>