転職活動でエージェントにお世話になるなら、ここは気を付けた方がよいと思う点(私見)

キャリア
この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

ブックマーク・フォローしませんか?

先日、「転職ステーション」様にて、転職に際してエージェント経由か直接応募がいいのか、という内容で記事を掲載していただきました。

どちらがいいの?転職エージェント経由と直接応募を比較! | 転職ステーション
転職に際して企業に応募する際には、主に以下の2つの方法があります。転職エージェント(リクルートエージェントやパソナキャリアなど。以下エージェントと記載。

これに関連して、転職に際してエージェントにお世話になるならば、これらの点には気を付けた方がよいかもしれないという私見を記載します。転職の際の参考にしていただければと思います。

企業側と転職者側の担当が別々

これは大手のエージェントに多いスタイルです。エージェントの中で、企業側とコンタクトする担当者と、求人情報を紹介する転職者(転職を検討している方も含む)とやり取りをする担当者が別々のことがあります。

担当者から求人情報(案件)を紹介され、その内容について質問をすると、簡単な内容ならばその場で担当者が回答します。しかし、込み入った内容だったり、あまり案件について掌握していない場合、「企業側の担当者に確認します」と言われ、回答を得るまでに時間がかかります。それだけならば、まだよいのですが、間に人が介在しているため途中で質問や回答の意図が異なって伝わってしまうこともあります。

また、上記のような体制だと、そのエージェント経由で応募した場合のやり取りや、企業側との調整といったコミュニケーションの全てが以下の通りとなります。

転職者←→エージェント担当者(転職者側)←→エージェント担当者(企業側)←→企業

伝言ゲーム化です。こういうエージェントはそもそもかなりの数を担当していることが多いので、エージェント都合で必要以上に時間を要する可能性が高いです。

転職者からするとエージェントの「業務上の効率」は正直どうでもよく(笑)、紹介してくれる案件についての詳細を把握しており、必要な情報がすぐに得られるのが望ましいに決まっています。そのため、個人的には企業側と転職者側で担当者が同一のエージェントの方がよいと思っています。

企業のWebサイトに掲載されている求人情報を提案してくる

エージェントから求人情報を紹介されると、ほとんどの方はその企業のWebサイトを照会すると思います。その際、私はいつも「採用情報」のページもチェックしていました。紹介された求人情報の有無と、他にどんなポジションを募集しているのかを確認するためです。たいていは、「採用情報」ページにはエージェントから紹介された求人情報は掲載されておりません。すなわち、エージェント経由でしか応募できない非公開案件であるということを意味しています。

しかし、たまに「採用情報」ページに掲載されていることもありました。こういった場合は、状況によって対応を検討すればよいと思います。

  • その案件しか応募しない(≒是が非でも転職したいわけではない)、転職活動のスケジュール管理が自分で行える状況⇒直接応募にする
  • 同時に複数案件に応募する=転職することを前提に積極的に活動している⇒エージェント経由で応募する

直接応募に切り替える場合、エージェントには、「このポジションはあまり興味が無いので応募しない」というように、あたりさわりなくお断りすればよいでしょう。事前にWebサイトに載っていることを話し、それでもエージェント経由で応募する明確なメリットを伝えていたというならともかく、Webサイトのように誰もがアクセスできる情報を提示しているだけの時点で、そのエージェントの情報収集力などについては若干疑った方がよいでしょう。

エージェント経由で採用が決定すると、企業はエージェントに「(転職者の年収の30%程度の)紹介料」を支払う必要がありますが、直接応募の場合はそのような費用は発生しません。そのため、企業からすれば同じ人材が採用できるならば、直接応募の方が採用経費の面からはメリットが大きいのです。

転職者側への連絡が滞る

これはエージェント側の怠惰によって・・・ということは滅多になく、たいていは企業側に原因があることがほとんどです。外資系企業でよくあるケースですが、採用活動が途中でストップしてしまった、求人要件が途中で変わってしまい見直しが入って停滞している、いわゆる「お断り」であることを連絡していないということが元々の事情です。

しかし、それに対して「フォロー」をしないエージェントが意外と多いです。応募した後は、企業側から転職者に連絡したいことがあると、それについては中継ポイントとして連絡はするけど、何も動きが無い時に企業にステータスを確認したり、プッシュしないということです。

転職者はエージェントにサービス費用を支払っているわけではなく、企業は紹介料などの形でエージェントにお金を払っています。そういう点では、エージェントにおける「お客様」は企業の方かもしれません。しかし、転職者がいないと、事業として全く成り立たないのがエージェントでもあります。つまり、転職者も「お客様」であるわけです。その「お客様」のために状況の確認などを自ら行うのは、至極当たり前のことだと思います。

同じエージェントでも担当者によって全く異なることもある

「このエージェントはよかった、微妙だった」というコメントは、いろんなWebサイトに載っています。同じエージェントなのに相反する内容(評価)がある原因としては、担当者によって対応が全く異なっていると考えてよいかと。エージェントは会社の体をなしていても、「個人活動」が多いので、担当者に依存する要素が多いことは、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。

業界・職種の強味などもあるので、いろんなエージェントにコンタクトを取り、担当者との相性も鑑みてお付き合いされるエージェントを複数持っておくことをお勧めします。

<2016年10月16日追記>エージェントについて第2弾を記載しました。

タイトルとURLをコピーしました