4年前(2018年)と2022年のHR Tech Conferenceを比較して変わった点・変わっていない点

HR Tech Conf
この記事を書いた人
Nagami@Aldoni Inc.

事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして独立。人事領域全般のコンサルティングを主な事業としているアルドーニ株式会社の代表。

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先月ラスベガスで開催され、4年ぶりに参加したHR Technology Conference & Expositionに関連する記事も今回が最後です。当初、所感を含む総括のような位置づけの記事にしようと思っていました。

しかし、4年ぶりに参加したことによって、私自身が「過去」との比較軸を有していることに気が付きました。しかも、4年前に私自身が書いた記事もあります。そこで、今回は4年前(2018年)と変わったところ、変わっていない点をあげてみたいと思います。

4年前と変わった点

会場は4年前とは異なるホテル・コンベンションセンターでした

AIの位置づけ

2018年時点ではAIに関して、「どのように使うのか(実用化するのか)」を検討する段階に来ているという発表がありました。また、そのセッションとは別のセッションにて、AI活用のイメージ例として「業務プロセスの一部にAIを使いこなすというのがおススメ」といったコメントもありました。

しかし、今年は提供しているサービスの中でAIはエンジンとして使っていることに言及するだけにとどまっていました。すなわち、AIを活用すべきシーン(大量データから適した内容を検索してくる、学習して精度があがってくるなど)では使用するのが前提となっていると判断できます。

VRの位置づけ

4年前は、VRについてベンダーが機能を紹介していました。具体的には、サムトータル社が「アルゴリズムを使って何を学べばよいのかをポジションとのフィット率も含め判断し、それに関してVRで研修が受けられる」と発表していました。今年は、ベンダーではなくユーザー(バンクオブアメリカ)が事例を紹介していました。VRがラーニングテクノロジーとして実用化しつつあります。

Learning分野に関与していなかったメガベンダーの動向

4年前の記事によると、「Learning(研修)関連のベンダーは115社あり、その中には、マイクロソフト、Facebook、アマゾン、セールスフォースドットコムといった、今までLearning分野に関与していなかったベンダーも参入しているようです。」と言及しており、私自身も伝聞形トーンでしたが、この内容はもはや既知の事実となり、マイクロソフト社の例をはじめとして多くの実績が出ています。

また、Cornerstones社によるSaba社買収のように、ベンダーの勢力図そのものが一部変わってきました。

9/14 Josh Bersin氏のKeynoteスピーチ投影スライド

コロナウィルス パンデミックに対する解釈

どのセッションも、「コロナウィルスによるパンデミックは過去にあった事実」というトーンで話しており、「状況を振り返りつつ、これからどうすべきなのか」という展開で話される内容が多かったです。(2018年時点では存在していなかったので、「変わった」というより「追加」されたものと言える)

Expoガイドツアー

4年前に参加して、自分から訪れる機会が少ないベンダーを知るきっかけとなったExpoガイドツアーが無かったのは残念だったです。(↓2018年にExpoガイドツアーに参加した感想ツイート)

4年前と変わっていない点

期間中の朝食(右側)・昼食(左側)に4年前と変化は無いと感じた

全能ではないテクノロジー

カンファレンス名称に「Technology」とついていますが、「テック万歳!」のトーンでは無いです。どのセッションも、Technologyが関与する人事領域の課題に対する提議・事例紹介・調査結果がメインテーマとなっています。

これは、今回最終日のKeynoteにて投影された資料の1ページです。この方は4年前も登壇されていました。

トランスフォーメーションはビジネスファンクションで、変化するためのスキルであると定義されていました。マインドとプロセスの組み合わせを「デジタル」と考えるべきだと再認識しました。

同じテーマ

4年前と同じテーマ(例:性別による給与の違い)について取り上げているセッションもあり、それは「現在においても、あるべき状況になっていない≒課題がある」ということの現れではないかと思いました。4年前より進んだ(当たり前になった)こともあれば、認識はされているものの・・・というものもあることを理解しました。

人を理解すること

「人を理解すること」が企業のパフォーマンスに直結する(=大事である)というコメントも、4年前と変わっていませんでした。

Employee Experienceの重要性

上記の「人を理解すること」と関連していますが、「Employee Experience」が重要であるということは、現在でも言及されていました。プログラムありきではなく、社員がどんなシーンにいるのか、そしてどんな環境下なのかといったことを突き詰めて考えなければいけない、ということだろうと思います。

メール+オンライン予約

4年前と同様にカンファレンス開始前に多くのベンダーからのメールを受信しました。メールの中に、「商談時間予約」ボタンが設けられているケースが多かったです。ただ、サービスを開発する立場ではないこともあり、展示場(Expo)はどんなサービスが存在しているのかを把握するにとどめました。

結局楽しかった

やはり1次情報に直接ふれる機会は欠かしてはいけないものだと実感しました。ここで得たことを業務にも活かしつつ、こういった学びは継続していきたいです。毎日、早朝から夕方までセッションがつまっており、期間中はハードではありましたが、最後まで楽しめました。来年ではないかもしれませんが、また参加しよう心の中で思いつつ、会場を後にしました。

【参考①:2022年 関連記事】

【参考②:4年前の記事(比較対象)】

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