自社の給与処理および社会保険処理については、自分で行っています。人事を専門としているので、何をどのように行うべきなのかといったことは理解していました。実際にやってみて、「ああ、こういうことなのか」と腹落ちしつつも、意外と煩雑だなと思っていました。
ただし、私の場合はそもそもの業務がどういう目的なのか、といったことや、「結局何ができればよいのか」といった「ゴール」は掌握していました。そのため、ツールとして使っているマネーフォワードの設定は諸々あわせて半日程度で終わり、毎月の実務についても、時間をかけずに完了しています。
現状に対する仮説
では、人事を専門としているわけでない一人株式会社の社長は給与関連処理をどのように対応しているのでしょうか?真っ先に2つの方法が思い当たりました。
方法1:給与アウトソーサ―に依頼する
給与計算および関連業務のアウトソーサーは数多くあります。しかし、そういったところは少なくとも社員数20名以上、通常だと100名以上の対象者がいないと引き受けないところがほとんどです。そのため、そもそも「一人会社」は彼らのビジネス上のスコープではないでしょう。
方法2:社労士・税理士に依頼する
社会保険関連や決算処理といった、給与関連業務の後続となる業務もあるため、いわゆる「専門家」に依頼するケースは比較的多いかと思います。経費処理も含めて税理士に丸投げということも多いかもしれません。
社労士あるいは税理士のどちらに依頼するのか、といった点に関しては一長一短があるので、ニーズに応じて決定しているのではないかと推察します。
給与関連業務を請け負う前提条件
一人会社の給与・社会保険・年末調整処理ならば、いくつか増えてもそれほど工数に違いはないのでは?という仮説を立てました。どういう状況なら弊社にてできるのか、という前提・条件をあげてみたいと思います。
対象人数
一人会社であること。すなわち、法人化しており他に社員を雇用していない。
ツール
他のツールを利用することは、現時点では考えていない。そのため、マネーフォワードシリーズ(給与計算・会計・経費精算)を使っている、あるいは使うことを受け入れたうえで、アカウントを用意してくれること。
給与期間・支払日
当月1日~末日の給与(役員報酬)を当月25日に支払う。(この支払日は調整可能)
給与明細・源泉徴収票
マネーフォワードのWeb明細を利用。
税金・社会保険関連
一人会社だと労働保険と雇用保険が対象外になるので、対応不要。
所得税
税理士資格を保持していないため、ご自身で対応いただく。(弊社で行っている方法を紹介することは可能)
住民税
給与控除ではなく個人で支払う普通徴収。(一人会社の場合は普通徴収も可能)
年末調整
- マネーフォワードにて電子申請を行う。そのために必要な手続き(税務署への申請)が既に行われていること。
- 上記の手続きが完了していない場合は、従前の紙で提出する。左記の内容について、マネーフォワードに入力をご自身で行う。
社会保険
銀行口座自動引き落としにすることで、振込対応不要。
算定・月変
- 役員報酬は1年間変わらないので、原則として算定処理をマネーフォワードにて行う。
- 役員報酬の変更などに伴って月変が発生した場合は、月変処理も行う。(ただし、年金事務所への書類作成・提出は社労士資格を保持していないため対象外)
銀行振込
- 振込処理を行うための口座アカウントを貸与可能であること。
- インターネットバンキングのアカウントを用意してもらえるならば、どこの銀行でも可。
- 上記が難しい場合、マネーフォワードで作成した全銀協フォーマットファイルを送付するので、ご自身で振り込みを行う。
情報提供
秘密保持契約を締結したうえで、諸々の手続きに必要な情報を提供いただく。
制約が多く限定的
給与・社会保険に関して何を設定してよいのかわからない、とか、毎月色々と作業するのが煩雑・・・という場合には助けになるかもしれません。
しかし、前提条件によってかなり限定的(笑)。給与計算アウトソーサ―ではないので、それほどフレキシビリティーはないと思いました。また、社労士や税理士の資格を持っていないので、自社であればともかく、他社の法定書類作成や役所への提出といったことが対応できないので、そういった視点からみても業務に限りがあります。
こういうサービスの提供も有りかなと思ったのですが、制約が多いかな・・・というのが実感です。もし、詳細を伺ってもよいという方は是非ともご連絡のほどお願いします。