何度か参加したことがある「人事ごった煮会」にて、「報酬制度」をテーマとしてセミナーが開催されました。3月に引き続き今年2回目。
報酬制度については、私も業務上関わることが多いです。自分自身の認識・理解・方向性の確認と、今後に役立てばと思ったので参加することにしました。
制度の整合性を追求する必要性
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCCと記載)の松浦様から「グループ会社における報酬制度の改定」についての実例と、その際の秘訣をご紹介いただきました。
グループ会社においては、報酬制度・評価制度は統一することによってグループ会社間の人材流動の阻害要因にならないようにすることはセオリーだと思います。その一方で、グループ会社ごとに置かれた事業環境や採用戦略(新卒メインか中途採用が中心なのか、など)は異なっているので、杓子定規ではうまくいかないこともあるでしょう。
CCC様の場合は、役職・報酬体系は維持しつつ、一部の子会社の「評価の仕組み=評価項目」を、子会社のビジネス状況にあわせたものに変更することで対応したようです。子会社独自部分と全体として横串をさす(統一する)部分を設け、整合性をはかったとも言えます。
この辺の「バランスを図る」のは制度設計の肝となるので、実際には調整が大変だったのではないかと推察します。
このような実例を伺うことができたのは、今後の役に立つと思いました。報酬制度を設計・導入するという経験は数多く積めるものではないので、コアとなる経験とそれを補強する他社事例を掌握していることが必須だと感じていたからです。
わかりやすく・実現可能・イメージしやすい
続いて、合同会社YUGAKUDOの田口様から「報酬制度とは何か・その歴史など」についてお話いただきました。
「そもそも報酬とは何か」「報酬が存在する理由」「企業活動における報酬制度の位置づけ」「報酬の種類:金銭報酬と非金銭報酬」「評価制度・報酬制度導入タイミングのセルフチェック」など、かなり盛りだくさんの内容でした。(具体的な内容は、どの程度公開してよいのか判別できない部分もあるので、ここでは控えさせていただきます)
ただ、報酬制度はそれぞれの企業の特徴・ステージや業種によって求められるものが全く異なるので、他社でうまくいったものをそのまま導入することで対応できるものではないだろうと思います。
人事ごった煮会での登壇にて。
50社ほどいらしただろうか、ワークシートちら見した程度ですが、一社とても同じ事業・文化・組織能力の会社なし。
即ち、戦略も違うし組織も違う。当然に制度も異なるわけです。
パッケージの制度がありえない理由はここにあります。#人事ごった煮会— 田口光@組織と人事から事業成長支援する経営伴走者 (@h_chahaya) July 30, 2019
また、報酬制度に限らず、こういった人事制度は「完璧になるまで作りこむ」というより「運用しながら改善を繰り返す」ことが必要だと再認識しました。人事制度は「慎重かつ大胆」であることが求められていると思います。
ディスカッション・懇親会
上記のLT(Lightning Talks)をふまえて、同じテーブルについた方々と話しつつ、そのまま懇親会に流れ込んだという展開でした。
自社の報酬制度の状況、某HR Techサービスの運用秘話、スタートアップ企業における人材流動・採用についてなど、こういう場でないと聞けない話ばかりでした。
人事ごった煮会は懇親会に入る前に、「話のネタ」のようなものが用意されているので、「立食式で名刺交換して自己紹介をしあう」ありがちなスタイルよりも楽しめると思っています。
領収書
前回の人事ごった煮会イベントに参加した時の記事に、「領収証が発行されなかった」という旨を記載したら、ご検討いただけたようです。申込時に「領収書発行希望フラグ」にチェックを入れることで、ご用意いただけるようになっていました。素晴らしい。経費なので、これはとても助かりました。
選りすぐって参加
人事関係のセミナーは数多く開催されております。独立した当初(2016年~2017年)は、スケジュールが合えばできる限り顔をだしていたような気がします。ただ、今はテーマや主催団体などを確認して、何か一つでも持ち帰るものがありそうなものを選ぶようになりました。(当たり前といえば、それまでだが・・・)
こういったブログ記事にするのも、その内容を多くの人と共有したいという気持ちの他に、自分がここで得たことを活かせるように記録しておくという要素もあります。
そういった視点から鑑みて「人事ごった煮会」は、ちょくちょく参加させてもらっており、今回もその期待は裏切っていないというか、期待以上だったなぁと思いました。