1ヶ月以上前のことになると、記憶も薄れてきます。「脳が2週間後に記憶しているのは10%程度」と話されていたセッションがあったので、今となっては5%程度だとしても致し方ないのか(笑)。
今まで取り上げた内容以外で記録しておきたいテーマについて、ランダムに記載します。
マイクロラーニング
失敗するケース
すっかりコンセプトが定着したと思えるマイクロラーニング。2年前のATDでは、「マイクロラーニングとはどういうものなのか」という「定義」がメインテーマでした。
しかし、今年は「マイクロラーニングをどのように適用するか」「その結果から学んだこと」といったことを取り上げたセッションが多かったです。また、マイクロラーニングが失敗するケースとしては以下のようなことがあげられます。
- 範囲・テーマを限定していない
- ニーズを明らかにしていない
- いきあたりばったり
- 方針・計画を定めていない
- (コンテンツへの)アクセスが容易ではない
コンテンツの格納先としては、いわゆるLMS(Learning Management System)の導入が前提と考えられがちですが、Sharepoint上でYouTubeやVIMEOを使うことで実現させたケースもあるようです。
経営層に入るためのツール
「L&D担当者のおかれている環境や、求められている役割はかわってきている一方、経営層のボードメンバーなどには入っていないことが多い。この状況を打破するための方法として、マイクロラーニングを活用することがあげられる」という内容を話していたセッションもありました。
マイクロラーニングは小さくスタート、焦点を維持/固守するというが原則で、具体的には7つの分野で適用できるようです。
- On boarding
- Leadership
- Sales & Customer Relationship
- Compliance
- Culture Building
- Career Growth
- Management Training
いろいろと風呂敷を広げるのではなく、まずは「Quick win」を得るべきというのは、マイクロラーニングでも同様のことが言えると思います。
ニューロサイエンス
数年前からATDでも取り上げられていたニューロサイエンス(脳科学)。学習における脳の反応も考慮して、どうすれば「より効果の高い学習が可能となるのかを、科学的に解明したうえで、それを研修プログラムなどに反映させよう」というコンセプトです。
ただ、今までは、「脳を活性化させるためには、適度に休憩をとること」といった「科学」からは程遠い内容ばかりで、「眉唾物」だと思っていました(笑)。
しかし、今年は(文系の私でも理解できる)科学的な見解が多く発表されていたようです。例えば、以下のようなことが話されていたとのことです。(情報共有会で得たことで、私自身は脳科学関連のセッションには出ませんでした。)
- 脳ができることを学んでやってみる
- 記憶には9種類ある。そのうち2種類が短期(1秒、1分)、7種類は長期(潜在的、顕在的)
- 脳のどこに残すのかによって、トレーナーとしてアプローチが異なる
- ビジュアルは2つある。聴覚も2つ。嗅覚は360種類の記憶を持つことができる
- 脳は使われている場所によって、反応するあるいは反応しない
- 脳が全部反応する=音楽を聴いているとき
- 記憶できないのは、脳へのアテンションが不足しているから
脳科学を専門に研究されている方々が登壇されたらしく、要するに人材開発側に「寄って」きたとも言えます(笑)
外れセッション
事前準備も行っていたので、「これは失敗した。他のセッションにすればよかった」というものは無かった・・・と言いたいのですが、残念ながらありました(笑)。
タイトルが「Can We Talk? I’m Leaving: 7 Steps to Effective Employee Off-Boarding」だったので、退職手続きの際に必要なことを「研修プログラム」に落とし込んで、どのように社員に展開する(した)のかといったことなのかな・・・と予測していました。
しかし、実際には、”退職プロセスにおいては、本人だけではなく上長や人事も時期に応じた役割がある。また、7つのステップにしたがって退職プロセスを進めていったほうがよい。”という、単なる退職プロセスについての解説にとどまり、かなり肩すかしでした・・・。
アメリカに行く理由
日本でも多くのカンファレンスが開催されていますが、よくよく吟味する必要があるというのは、↓の記事に書いた出来事で痛感しました。
「楽しい上に、学びが得られるカンファレンスが日本に無い」という現状が、ATDに参加している理由ではないかと思います。母国語ではない言語で実施されるセッションに、日本から遠路はるばる参加する方々が230名(海外からの参加者数:世界第3位)近くいたということがその証拠とも言えるでしょう。
2020年以降のATD ICE 開催時期・都市
ATD ICEに関しては、来年以降3年先までスケジュールと開催都市が発表されています。
2020年5月17日~20日@Denver,CO→中止- 2021年8月29日~9月1日@
Los Angeles,CA→Salt Lake City, UT - 2022年5月15日~18日@Orlando, FL
今まで2年おきに参加していたので、順当にいけば次回は2021年の予定ですが、場合によっては来年も参加することは考えてみたいと思います。
<ATD2019のレポート>
<ATD2019に関する過去記事>