外資系企業だけではなく、多くの企業で「オンボーディング」という概念が日本でも定着しつつあります。@人事で掲載していただいている「社員に選ばれる会社の人事制度・人材開発」シリーズでも、オンボーディングの目的・効果・具体例をまとめた記事がリリースされました。
この記事では、人事制度の視点で「オンボーディング」を記載しました。もちろんこういった制度も必要ですが、それだけではなく運用する方々、すなわち新たに入ってくる社員を受け入れる側のマインドや取った方がよいと思うアクションについて取り上げたいと思います。
知らないことを前提に接する
中途の場合、業務経験者が入ってくることが多いと思いますが、そういった時でも「全く知らない」ということを前提として、新しく入ってきた方に接しましょう。経験者だからこのくらいは知っているだろうと思うのか、意外とこの視点が抜けている方が多いです。特にその会社にとって「当たり前」「知っていないと業務ができない」といった、「社内用語・仕組み」といったことについては、知らないのが当たり前です。
「これは知っているだろう」という前提や態度で接することで、新しく入ってきた方の中には却って質問ができなくなってしまうケースもあります。
聞きやすい雰囲気をつくる
既存の社員にとってはそれほど変わらない日常かもしれませんが、新しく入ってきた方にとっては大きな環境の変化です。そのため、つい自分の仕事だけに没頭して、新しく入ってきた方を「放置」しがちですが、そこは最初の2週間程度は意図的に声をかけるなど、既存の社員から積極的なアクションをとりましょう。
また、オフィスでの仕事では、パソコンを使うことが多いと思います。新しく入ってきた方(だけに限りませんが)から話しかけられた時に、目線はパソコンに向かったままで、作業を止めずに話を聞くのは止めましょう。何か質問などをされた場合は、「どんな時でも手を止めて話を聞く」ことを前提に。
上司の振る舞い、という視点で過去にこのような記事を書いていますが、これは「新しく入ってきた方」にも適用できるかと思います。
小規模で食事会や飲み会を開く
できるだけ早い時期に食事会や飲み会を開いて、新しく入ってきた方の「人となり」を知る機会を設けましょう。人によっては夜に時間が取れないという方もいらっしゃるので、その場合はランチでも大丈夫です。「歓迎している」という気持ちを何らかの形で表すだけではなく、おいしいものを食べたり飲んだりしているという共通の体験がきっかけで、お互いのことを知ることができると思います。
いろいろとありますが、会社というのは人間関係をどううまく構築するかです。親友にならなければいけないというわけではありません。仕事をうまく行うための関係性を作るための「投資」は、新しく入ってきた方の実力が早期から発揮されることで「回収」できるかと思います。そのためにオンボーディングの仕組みがあるのですが、仕組みだけではなく既存の社員のちょっとした「気遣い」がオンボーディングの成果を高くすると理解しています。
<2019年3月23日追記>
オンボーディングをテーマにした「人事ごった煮会」のイベントに参加した際の内容を記事にしました。
<新しい環境に入る方はこちらを参考に>