先日(8月3日・4日)受講したクリエイティブシンキングセミナーにて学んだフレームワークを、何回かにわけてご紹介しようと思うシリーズの第4弾(最終回)です。今までは個別のフレームワークを紹介していたのですが、これらをどう使うのかという「大きな枠組み」となる「創造のプロセス」についてです。
認識の創造
夢や希望といったポジティブなもの、あるいは不満や不足感といったネガティブなもの、いずれの時においても存在する問題意識がきっかけとなり、「認識の創造」が生まれます。これはどうとらえるかということでもあります。見方やとらえ方の枠組みをかえることによって、別の認識が発生します。「携帯電話は電話として話すための道具」だけではなく、持ち歩いているということは他にも使い道があるのでは?というのが、枠組みを変えることでもあったのです。チェックリスト法がここでは使えるでしょう。
目的の創造
「認識の創造」の次に出てくるのは、何をすべきなのか?ということ、すなわち「目的の創造」になります。「何をどのように実現するのか」ということを考えることによって、それを実現させるための障害となる問題や課題を発見します。
問題と課題は別物です。問題は「現状とあるべき状況との差(ギャップ)」という単なる事象です。課題は「問題を解消するために解決しなければいけないこと」です。
問題は「会社の売り上げが計画よりも下回っている」ことで、課題は「部門のノルマが達成できていない」ことになります。ちなみに、課題を解決するために作業タスクレベルまで落としこんだものが「ToDo」になります。上記の例だと、「既存のお客様に電話をかけて、ニーズがあるかどうか確認する」といったものになります。
携帯電話からスマートフォンへの変遷を例にとると、目的は「携帯電話でウォークマンと同じように音楽を聴けるようにする」ということになります。そのために出てきた問題の一つは「CDから携帯電話に楽曲を登録できない」ことであり、課題は「携帯電話に楽曲を登録できるようにする」となります。
上記のような取り組むべき問題・課題の優先順位をつける際にに使うのが、一対比較になります。
手段の創造
何をすべきなのかが決まったあとは、それをどうするのかを考えます。目的を実現させるための手段を考えることになり、ここで出てくる新しい発想や着想が「アイデア」です。携帯電話でウォークマンと同じように音楽が聴けるようにするために、様々なアイデアが出て、それが実現したと思います。例えば、今では当たり前になった音楽ダウンロードサイトも、そのうちの一つではないかと思います。これによって、「新しい価値」が出てくることになります。
こういったアイデアを出す時に使うのがブレインストーミングです。
ブレインストーミングによって出てきたアイデアをグルーピング化(親和図法)したり、一対比較を使って優先順位をつけるとよいでしょう。
他のフレームワーク
研修ではこれ以外のフレームワークもいろいろと紹介され、演習もありました。ただ、個人的にはまずいくつかを使ってみて、それで不足感がでてきたり、解決できなかった時に別のフレームワークを使うことを検討すればよいかなと思っています。研修を企画する立場だったので、純粋な受講者として受けられたのはとても新鮮でした。