ダイレクトソーシングを行う企業も増えてきて、AIの開発も進んでくると、「転職エージェントって不要になるのでは?」と言われることもあります。不要にはならないだろうけど、だいぶ淘汰されるだろうし、そうあるべきでしょう。また、エージェントといえば、企業から成功報酬を受け取ることがほとんどですが、その反対は無いのでしょうか?需要なども含め、検討してみたいと思います。(私自身は転職エージェントの業務を行った経験は無く、そのサービスを受けていた側にすぎないため、外野の意見ととらえてください。)
単なる職業斡旋系のエージェントは不要
いわゆる転職エージェントは「ピンキリ」だと思っています。担当者によっては、求職者と企業側のニーズをよく理解し、適切な案件を紹介して、それがうまくいくことに「ご縁」を感じながら仕事に取り組んでいらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、その一方では、自社データベースやビスリーチ/LinkedInなどから検索して、具体的にどんな人なのかも知らず、場合によっては直接会ったことも話したことすらない人を、企業に「紹介」をしつつ、企業側からの連絡を仲介するだけの「斡旋」のようなことしかしないエージェントもいます。そういうエージェントはたいてい、求職者から状況などを尋ねても「しばらくお待ちください」と返すだけで、実際に何かプッシュしたり状況など確認することもない、単に「間に立っているだけの仲介屋」です。
また、この手のエージェントは、最初の「スカウト」時には何度もメールを送ってきたりしているのに、コンタクトを取り出すと手のひらを返したかのように、企業側の伝書鳩のような役割しかしないことが多い・・・。
企業が求職者に直接コンタクトを取るダイレクトソーシングはもっと活性化していくべきでしょう。そうなることで、「サービスレベルや対応が適切なエージェント」だけが生き残るようになるはずです。
知っている人が紹介してくれた方が安心
世の中でどれだけSNSが浸透しようとも、「口コミ」の影響力は今でも決して小さくはないと思います。転職活動においても、それは同じでしょう。自分が直接知っている人から紹介されたり、企業の状況をうかがうことに得た情報を信憑性が高いと捉える方が多く、そういった情報を精査した上で自分の意思を決定するでしょう。
また、企業からしてもできるだけ、その企業の風土や求める業務経歴/スキルに合った方に会いたいと思うし、そのために何十人とも会うよりは少数の方がよいと思っているはずです。極端な話、「10人採用するなら、その企業にとってピッタリな方が10人だけ応募してくれればよい」わけですから。母集団形成の目的は、「たくさんいる中から適切な人を選ぶ」ためですが、最初から「適切な人」しかいなければ、母集団形成など不要・・・なはず。
そういったものを仕組みにしているサービスも、既にあるようです。
(審査の結果次第ですが)誰でもヘッドハンターになれる、とのこと。しかも、実際に転職が決まると、ヘッドハンターにも報奨金が入る仕組み。これはなかなか考えられているな、と思います。紹介する側がよく知っている人を紹介するという、転職エージェントには無い部分をグイグイ押し出しております。
求職者側がエージェントを雇えないのか?
求職者側がエージェントを雇うという仕組みがすでに存在しているならば、是非とも教えてほしいです。企業が紹介手数料を払い、求職者(転職希望者)は無料でサービスを受けられるのが、エージェントの通例です。エージェントが金を払っている側(=企業)に寄った行動をしてしまう・・・というのも、何となく納得せざるを得ない部分があります。
それならば、反対に個人がエージェントを「雇って」、新たな勤務先を見つけてもらうというのはどうだろうか?それならば、真剣に雇い主にあった仕事(会社)を探してくれるだろうし、選考途中で何らかの理由で停滞してしまっても、フォローやプッシュも行うでしょう。ただ、価格はどの程度にすればよいのか?どの時点で費用が発生するようにすべきなのか?また、そもそも転職のために自らエージェントを雇おうとする(お金をかける)人がいるだろうか?という点などにおいて、検討すべきことはいろいろあるかなと思います。