昨年くらいからHR関連のクラウドサービス、いわゆるHR Techが注目されています。これは日本だけではなく海外でも似たような状況です。いろいろな会社がいろいろなサービスを展開しておりますが、「結局どれがいいんだ?」「いろいろありすぎてわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。・・・というわけで、今回は、まずはこの5つをチェックしてみては?というサービスを紹介します。
こういう時、「採用」「研修」「給与」「勤怠」といった人事業務のカテゴリーごとにわけて紹介すればよいのかもしれないのですが、そうなると、記事を読まれる方がその括りの指している業務が、具体的にはどういったものなのかを理解していることが前提となります。しかし、今回は「初心者から上級者まで」と幅広にテーマを設定しているので、「とにかくお勧め」「チェックしてみて」というざっくりな私の基準で、人事業務カテゴリーにこだわらない形式でいきます。
最も面倒な業務を根本から変えるSmartHR
入社・異動・退職などに伴う労務・社会保険関連の手続きは、所定の用紙に手書きしている会社が多いと思いますが、それをオンライン上でできるようにしたのがこのSmartHRです。名前のとおり、「スマート」な業務が実現できます。最近では、人間だけではなくエンマ様も使おうとされているようですが(笑)。
ERP(SAPやCOMPANYなど)でも、帳票の印刷は可能です。しかし、使用するプリンターによって出力項目のポジションの微調整が発生したり、法改正によって帳票レイアウトが変わるとその対応が・・・などとゲンナリする要素だったのが、一気に解決。しかも、印刷不要!
他のHR Techサービス(Talentio、MFクラウド給与、AKASHIなど)とのデータ連携があるので、それらを使いつつ、人事業務を行う際の中心的なポジションにしてもよいかと個人的には認識しております。
また、私がHR Techについて関心を持つようになったきっかけのサービスでもあります。
こういうのが出てくると、今までのERPとかが霞んでみえる。
「SmartHR」と「Talentio」が業務提携、内定から入社手続きをもっと便利に。 #pedia https://t.co/9YHi6OqBvD
— Nagami_Aldoni Inc. (@nagami_aldoni) November 8, 2016
採用業務の煩雑さを一気に解消できるTalentio
もう一つの「HR Techについて関心を持つようになったきっかけのサービス」であるTalentioは、いわゆるATS(Applicant Tracking System:採用管理システム)になります。
エージェント用の機能もあるので、候補者データのやり取りを複数のエージェントとメールでやり取りをする必要もなくなります。また、「タグ」というGmailの「ラベル」と似たような機能があるので、それを使って候補者をカテゴライズすることもできます。こういう時に、フリーのデータテーブルを用意するのではなく、タグにするというあたりに「新しさ」を感じます。
標準レポートがいくつか用意されているので、選考通過率などの分析も簡単にできそうです。採用業務は煩雑なものが多いので、その辺はこれを使うことで解決できそうです。
<TalentioのUser MeetUpに参加しました>
社員/候補者の相性が論理的にわかるINOBER
新規の社員採用の際に、既存社員との相性をもとに判断することもあるでしょう。そういった時に、INOBERによる適性診断データを使うことを検討してみてもよいでしょう。Webサイトに記載されている、↓の説明がすべてを表現しています。
INOBERは社内の適性診断データを活用して「自社にマッチする人材の採用」、「適材適所の実現」、「組織の分析」ができるシステムです。
私も実際に適性診断テストを受けて、結果をみたところ、「どうしてそこまでわかるんだ?」と言いたくなるくらい当てはまっておりました。採用プロセスだけではなく、入社後の組織開発や人事異動などの時にも活用できると思います。人事にたずさわっていると、「何となくこんな気がする」という勘が働き、かつ、それが当たることも多くなるのですが、そういった「勘」を論理的に解釈しているので、多方面への「説得材料」になるかと。
タレントプールに力を入れているTalent Cloud
Talent CloudもATS(Applicant Tracking System:採用管理システム)の一つです。そのため、全体的な機能は上述のTalentioと重複していますが、Talent Cloundは、「タレントプール(候補者母集団)」機能に力をいれているなぁと感じております。
Talent Cloundには、採用サイトも作成できるツールも用意されております。それが、とてもわかりやすい。「サンプルとして用意しています」といったレベルのものではなく、採用サイトならばこれは必要だろうと思われるカテゴリーにわけられており、そこに情報や画像を入れるだけで本格的なサイトが完成しそうです。「まずは採用サイトつくらないと・・・」と思っていたら、手始めにここからスタートしてもよいでしょう。
あらゆるデータの見える化をしているタレントパレット
最後はタレントパレットです。評価プロセスの管理や異動シミュレーションといった機能があり、それも使いやすそうです。社員のありとあらゆる情報を格納しているので、人事情報の統合データベースとしても使えそうです。
今年の2月に「HR Solution Forum」というセミナーに参加した時に出たセッションで知りました。後日改めて、サービスの紹介もしていただいたのですが、自社の経験や必要性から生まれたものなので、説得力が桁違いです。
機能や活用シーンについては、Webサイトに記載されております。
特徴はこれだけではない
「まずコレ!」と思っているHR Techサービスを5つ紹介しました。特徴や機能については、私の主観に基づいて記載しており、さらに、本来持っているサービス内容の最も特徴的なところだと思った部分のみを取り上げたので、かなり省略しているとは思います。
こういったものを組み合わせて人事業務を構築してみたい・・・と思っている企業がいらっしゃいましたら、サービスメニューにも入っておりますので、是非ともお問い合わせください。一緒にやりましょう。
また、そもそも自社の人事に関する課題として何があるのかは何となくわかるけど、どういったHR Techサービスを使えばよいのかわからない・・・といった企業(特にスタートアップ企業など中小規模の企業)がありましたら、こちらも遠慮なくお問い合わせのほど!
<2019年2月14日追記>
HR Techサービスに必要な5つの機能について私見を記載しました。