先日(3月14日)、Tech Crunch School #09「HR Tech 最前線」に参加しました。毎度のことながら、Facebookによる告知をみて参加を決めたセミナーです。昨年の11月の「HR Tech Kaigi」と全く同じ流れ(笑)。
昨年から「HR Tech」が色々なところで取り上げられるようになり、こういうセミナーも増えてきているなぁと実感しています。私自身も何度か参加しているので、今回は新しい情報を得ることよりも、どちらかといえば、これを自分の仕事の今後にどう役に立てられるのかというヒントを得る・HR Tech関連セミナーに参加している人たちはどんな方々なのかという「交流」を目的として、参加することにしました。
↑というところまで、参加前に書いたのですが、いろいろと「新しい情報を得る」ことができました。まだまだでした(笑)。
パネルディスカッションは盛り上がった
KUFU(現在のSmartHR)の宮田氏、サイダスの松田氏、エン・ジャパンの寺田氏、メルカリの石黒氏がスピーカーのパネルディスカッションは、知っていることもあれば、初めて知ったこともありました。このパネルディカッションでは、会場からの質問をうける「Sli.do」が導入されていました。そのため、話を聞きながら気になる点を質問し、それに対してスピーカーが回答するというインタラクティブなやり取りもできました。実は私の質問も、ディスカッションの中でとりあげていただいたので、うれしかったです。
上記のディスカッションにて話されていた内容において、是非とも皆様と共有しておきたいことを箇条書きで記載いたします。
- HR Techベンダーは、特定ブランドの傘下に集約されるか、あるいは最善のものを組み合わせる(Best of breed model)のか?→全部をやっていくのはむずかしい。後者であろう。使いやすいものどおしを(APIなどで)つなげていった方がよい。
- 競合はExcel。使い勝手がよく、簡単に作成できるから。ただ、データの正規化ができておらず、属人的なファイルとなってしまう。HR Techツール導入時にクレンジングが必要となる。
- 採用のミスマッチはなぜ起こるのか?→企業の情報発信すべき内容が間違っている可能性もある。例えば、会社としては有能な人や会社の良いところや格好いいところを前面に押し出して、Webサイトに掲載するが、それが実際の会社の「本当の姿」を自分たちの言葉を使ってアピールすべき。
- 採用データを活用して、未来や採用の成功・失敗は予測できるか?→AIをつないで見られるかもしれない。履歴書を解析することもできるようになるかも。
- 「HRデータサイエンティスト」というポジションの需要は出てくるだろう。実際、アメリカなど海外では32%の企業がそういった検討をしている、10%は既にそういったポジションが存在している。
- ツールは目的のために使う。処理のためではない。
- 海外ベンダーのツールは日本企業に適合するか?→全体的にはOKだが労務分野の適合性は高くない。
- 年に1、2回しか使わないツールの使用方法は覚えられない。評価システムなどは、毎週ログインするものと連携しないとダメ。
- HR Techに関わる/使用するユーザー(=HRスタッフ)は、プログラミングなど技術的素養は必要ないが、「好きであること」は重要。
- HR Techツールの導入に関与していくと、顧客がどこで引っかかるのかがわかってくる。また、ノウハウもたまってくる。
- LinkedInのプロフィールは「盛っている」ものが多い(笑)。
立食式懇親会は少しだけ克服
パネルディスカッションの後は、懇親会でした。こういった立食形式で、「初めまして」と名刺交換しながらの懇親会は、正直苦手な方です。基本的には、出席しないで会場を退出することがほとんどでした。
何をきっかけに話しかければいいのか、どこで話を切り上げていいのか・・・といったことに慣れていないのが原因かと。とはいえ、今回は少しの時間でもいいから、まずはチャレンジしてみようと思いました。
結果としては、スピーカーの宮田様、松田様も含む何名かと名刺交換しつつご挨拶や、ちょっとした意見交換ができたのが、私としては大きな進歩でした。少なくとも、次にこういう機会があったら、参加してみようと思えるようになりました。ありがとうございます!!
HR Techは面白い
人事の領域では「カン」「経験」といったものが、必須とされていました。これは、社員に対する洞察力と実務経験のことを意味しています。確かにそれはそれで必要だと思います。でも、それを裏付ける、あるいは新しい見方を得る方法としてデータも必要でしょう。そして、データは単に収集するだけではなく、それをどう活かすのかが重要で、そのためにHR Techツールがあります。さらに、そういったツールを使うことによって、業務の効率化だけではなく、変化への対応と複雑な業務の簡略化が可能となります。
正直、人事スタッフは「システム関係は疎いので、アナログな対応をしている」傾向が高いです。それによって、人事スタッフ自身の業務効率が良くない、残業時間が長いというのはいささかどうかなと思います。
また、最善のものを組み合わせる(Best of breed model)という考え方は、私も全く同じです。そうなると、どういったHR Techツールを組み合わせて、自社の人事を行っていくのかを、システムと業務の両面から「デザイン」をする必要が出てきます。そういったデザインをした上で、データを活用して人事面から経営に貢献できることが、人事スタッフには求められているでしょう。
どのHR Techツールもユーザービリティーを考慮しており、持っている機能も業務にも役立つだけではなく、面白いものが多いなぁと思っています。開発にたずさわっている方々が、HRをやっていた人ではないからか、発想が斬新でそれが良い方向につながっているのだろうと思います。
単に講義を聴くというものではなく、自分も参加していると感じられたセミナーでした。
<2017年7月23日追記>
続編のセミナーにも参加したので、その内容を記事にしています。
<2017年10月5日追記>
さらに続編のセミナーにも参加したので、その内容を記事にしています。